日本人の生活習慣病に影響する要因となる「高血圧」は、現在20歳以上の国民のおよそ2人に1人が発症していると言われているほどです。
また、高血圧は心臓病や脳卒中、腎臓病などの原因にもなるため、早めの対処が必要です。
そこで、今回こちらの記事では、高血圧の改善や予防に効果的と言われている運動について詳しく解説していきます。
また、高血圧におすすめの運動や日常生活のポイントについてもご紹介します。
ぜひ、この記事を読んでいただき、高血圧を改善・予防して、健康的な体を作っていきましょう。
高血圧の運動効果とは?
最初に、高血圧症になる原因について確認していきましょう。
主に下記のようなことが高血圧の原因に挙げられます。
・好ましくない食生活
・身体活動量の不足
・喫煙
・ストレス
上記の原因は、すべて高血圧が生活習慣と関係していることが分かります。
生活習慣と関係している高血圧の改善や予防には、食事療法などさまざまな方法が考えられますが、そのなかでも有用として研究で証明されているのが習慣的な運動です。
現在では、治療や予防に推奨されている運動療法に関するガイドラインが確立されているほど、高血圧には運動を行うことが効果的とされています。
高血圧改善におすすめの運動方法
次に、高血圧改善に効果的とされている運動について、具体的な方法をご紹介します。
・ウォーキング
・水中運動
・筋トレ
それぞれの効果と内容について詳しく見ていきましょう。
運動方法①ウォーキング
ウォーキングを行うと、血管を広げて血圧を下げる働きを持つ、一酸化窒素(NO)の分泌を促す効果があります。
これまでの研究でも、ウォーキングのように習慣的な有酸素運動を継続することで血圧が低下したという報告があるほどです。
また、ウォーキングは、誰もが気軽に取り入れやすい有酸素運動の1つであるため、続けやすいメリットがあります。
なお、ウォーキングを行う目安としては、1日に8,000歩以上行うことで、血圧を下げる効果が期待できます。
運動方法②水中運動
水中運動は水圧の力で血液循環が良くなるため、高血圧の改善に有効とされています。
また、水の浮力を利用して体の負担が軽減されるので、運動に慣れていない方でも始めやすいです。
さらに、水中エアロビクスで音楽に合わせて体を動かすことができれば、水中運動をより楽しく続けられるでしょう。
なお、水中エアロビクスに関しては、治療抵抗性高血圧患者を対象にした調査でも高血圧改善の効果が発表されています。
その調査では、水中エアロビクスを行った高血圧患者が、平均して血圧が36mmHg/12mmHg減少したという報告があがっています。
運動方法③筋トレ
筋トレを行うと、血圧を下げる物質が分泌されることが示唆されています。
血圧を下げる「降圧物質」の分泌は血管を拡張して尿の働きを良くするため、水分と塩分を排出する効果があります。
また、降圧物質の1つである「プロスタグランディン」は、血管を拡張する働きがあるだけではありません。
血中の中性脂肪を低下して善玉コレステロールを増やす働きがあるため、生活習慣病予防にも役立ちます。
さらに、筋トレを行うと血管の内皮細胞から一酸化窒素(NO)が分泌されることも大きなメリットです。
筋トレは筋肉を硬直させて1度血流を悪くしてから一気にゆるめる動きをするため、さらに一酸化窒素の分泌量を増やすことができます。
ウォーキングなどでも一酸化窒素の分泌は増加しますが、筋トレの方が筋肉に負担をかけることで分泌量を効率的に促すことが可能です。
おすすめの運動頻度と時間
高血圧における運動を効果的にするためには、定期的に継続することが大切です。
目安としては運動量は1日30分以上、強度はややきつい中等度が一般的にすすめられています。
低・中強度の運動は、収縮期血圧の上昇がわずかであるのに対し、筋トレのような高強度の運動は血圧上昇が顕著になります。
そのため、筋トレを1日30分以上、定期的に継続していくことがポイントです。
しかし、運動初心者や日頃から運動をしていない方は、筋トレをやみくもに行うことは危険です。
体に負担をかけることになる可能性があるため、正しいやり方とフォームで行いましょう。
高血圧で運動に適している方・適していない方
次に、高血圧で運動に適している方と適していない方について確認していきましょう。
基準としては、高血圧に運動が適している方は、Ⅱ度高血圧以下で脳や心臓の疾患を持っていない方です。
逆に、Ⅲ度高血圧の方が運動をすると身体への負担が増えることになるため、疾患が悪化する可能性があります。
また、脳心血管病を合併している方やその他持病をお持ちの方も注意が必要です。
高血圧で疾患をお持ちの方は運動をする前に、気を付けることを医師に相談しましょう。
高血圧で運動する際の注意点
運動をする際には、くれぐれも無理のない範囲で行うことが大切です。
特に下記のことに注意しながら行いましょう。
・準備運動をしっかり行う
・体力や年齢、健康状態などをふまえて運動量を設定する
・いきなり激しい運動はしない
・運動中は水分補給をしっかり摂る
・毎日運動しなければいけないと思わない
あくまでも、体に負担をかけずに少しずつ良い運動習慣を作ることを目標にしましょう。
高血圧を予防する日常生活のポイント
高血圧の改善には、運動の他にも生活習慣でできることがあります。
次に、日常生活の改善ポイントをご紹介します。
取り組めそうなものから始めてみましょう。
・食塩の摂取量を減らす
・飲酒を控える
・禁煙する
・適正体重を維持する
・ストレスを溜め込まないようにする
など
なお、BMIが25以上の肥満の方は、高血圧になるリスクが高くなると言われています。
特に、中高年の方は体重増加が見られる方ほど高血圧を発症しやすくなるため、体重の増加にはくれぐれも気をつけましょう。
また、ストレスを溜め込むと高血圧を発症するリスクが2倍以上増えることも研究で分かっています。
ストレス解消のためにも、運動習慣を身につけていくと良いでしょう。
高血圧を無理なく改善するには心身健康倶楽部へ!
高血圧の改善方法を実践してみてもうまくいかない方や、高血圧の改善を本気で目指したい方は、心身健康倶楽部にご相談ください。
心身健康倶楽部は、中高年のあらゆる体の悩みを解消している中高年専門のパーソナルトレーニングジムです。
特に、中高年で筋肉が少ない方は、高血圧になるリスクが高くなります。
そのため、高血圧の改善にはその人に適した運動療法が必要になります。
しかし中高年の方は、身体が重く運動する気にならなかったり、お仕事や家事で忙しく、運動習慣がつきにくい傾向にあります。
また、自分に適した運動方法がわからないまま続け、効果がうまく出ないケースも少なくありません。
そこで、心身健康倶楽部では、ライフスタイルが異なる中高年一人ひとりに合わせたオーダーメイドのトレーニングを提供しています。
無理のないトレーニングを展開していくため、基礎代謝の向上や筋肉量が増えていき、高血圧の改善につながります。
また、筋トレの時間は忙しい方でも続けやすい週1回60分のトレーニングになるため、無理なく自然に運動習慣が身につきます。
高血圧の運動|まとめ
筋トレを継続していくことは、高血圧の改善や予防を始め、軽く強く若々しい身体作りに大いに貢献してくれます。
しかし、高血圧の改善に効果的な運動をするためには、一人ひとりに適した運動療法を続けていくことが必要です。
そのため、今回ご紹介しました運動のなかでご自身に合った方法を実践していきながら、高血圧の改善にお役立てください。
また、自分に適した運動方法が見つけにくい方や、本気で高血圧を改善したい方は、心身健康倶楽部にご相談ください。
楽しくトレーニングを習慣にしていきながら、いつまでも健康的な体を維持・向上していきましょう。
枝光 聖人
パーソナルトレーナージャパン株式会社
心身健康倶楽部代表取締役
パーソナルトレーナーとして現在も活動中で、日々お客様を対応している。
中高生の皆様の日常に特化したパーソナルトレーニングの指導と教育を得意とする。
過去25年以上にわたる実績をもとに、中高生専門パーソナルトレーニングジムを全国展開中。
保有資格
心身健康トレーナー養成スクール 総長 人間総合科学大学大学院 心身健康科学修士 厚生労働省認定 ヘルスケアトレーナー