スポーツクラブに行って、筋肉を増やしたいと相談すると、大抵はプロテインを勧められます。
店頭で販売しているジムも多く、「筋トレの後は30分以内にプロテインを!」と急かされ、慌てて飲んでいらっしゃる光景を目にします。
確かにプロテインは、毎日の食事から、必要なタンパク質を十分に摂取出来ない方にとって、効率よく吸収できる優れたサプリメントです。またプロテインそのものに、副作用を及ぼすような問題物質が含まれていることは少ないです。
しかし、「タンパク質の摂り過ぎ」という点には注意が必要です。通常の方は「体重1Kgあたり、1日につきタンパク質1g摂取」すれば十分です。筋力増強を狙う方でも「2gまでが限界」と言われます。
タンパク質は、私たちの血肉を造る重要な栄養素ですが、糖質や脂質と違って、分解の過程で尿素窒素などの毒素が出るため、腎臓の濾過機能によって尿として体外に排出されることで、人間は健康を保っています。
もし、腎臓の濾過機能が不全になると、カラダに毒素が回り尿毒症となって死に至る可能性があります。人工透析は腎臓が機能しなくなった方が、機械的に毒素を排出するもので、身体障害1級に該当する重篤な病気です。
また加齢とともに腎臓の濾過機能が低下していきます。中高年は健康診断で、血清クレアチニン値や、eGFRという腎機能の数値が悪化している方が多く見受けられます。こうした方は自分の腎機能に合ったタンパク質の摂取が必要です。何も考えずにプロテインを大量摂取し、肉をたくさん食べていると腎臓に負担がかかり、腎機能のさららなる低下を招く恐れがあります。
中高年には、一人一人に合ったトレーニングと、栄養摂取のアドバイスが必要なのです。
2018.10.16 中高年におけるプロテインのリスク
2018.10.16 | 高槻店ブログ