「どんなにカラダが硬い人でも180度開脚できるようになる」というような本に人気が出ていましたが、普通の人が180度開脚にチャレンジする必要はあるでしょうか?

答えはNOです。関節の可動域のことをROM(Range of Motion)といいます。股関節外転の自動的ROM(自力で動かせる関節可動域)は、片脚45°なので両脚で90°開脚できれば良いわけで、それ以上に開けることが良いとは限りません。

中年以降に症状が現れる股関節のトラブルのひとつに、変形性股関節症という病気があります。この病気の罹患率は男性に比べ女性の方が多いのですが、それは妊娠・出産のためにもともと股関節の柔軟性が高いからです。また女性は股関節のソケットが浅く、女性ホルモンの働きで腱や靭帯などの結合組織も、よくいえばしなやかですが、悪く言えば緩みがちです。

ダンサーやバレリーナなど、股関節の柔軟性が必要な職業であれば180度開脚はやむを得ないかもしれませんが、普通の人が無理にやることはないのです。男性の場合はより困難と言えましょう。

中高年の股関節の柔軟性においては、横方向の開脚よりも縦方向の開脚(前後開脚)の方が重要でしょう。何故なら中高年は歩幅が小さくなり歩行能力が低下していく傾向が強いからです。階段が登りづらくなった、平地で躓きやすくなったと感じたら危険信号です。もちろん、「ふともも」や、ふともも裏の「ハムストリングス」が弱くなっていることも要因ではありますが、股関節の柔軟性が低下することにより小股歩きになり、従来にも増して「ふともも」の筋肉を使わなくなり、筋肉量が低下するという負のスパイラルに突入して行きます。

では、前後開脚にはどんなストレッチが良いのかというと、それは5月6日のストレッチセミナーでも実演する前後の股関節ストレッチです。このように、ストレッチをやる前に正しい知識を学んでやることで、より効果的にご自身の健康に役立てることが出来ます。

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2019.4.2 【5月6日】リラクゼーション・ストレッチセミナー開催します